忘れられない食事風景 【りさ 50歳】

今までで一番忘れられない食事としてあげるとすれば、私の場合は1995年1月15日に発生した阪神大震災の中で食べた食事です。その日は明朝に大きな震災が起こり、終日までこの先どうなるかわからない不安の渦の中で、家族や住民と過ごしました。そして次の日になり、私達家族はとにかく動けるうちにと意を決して、田舎のある主人の実家へと夫と子供の3人で避難をすることにしたのです。とにかくそう決めたのなら早く出発しようと、私は慌てて御釜の中に残っているご飯で家族全員のおにぎりをいくつも握りました。昨日からメディアでの情報も少なく、外出するとなるとこの先も食事ができるかさえわからない状態でしたので、とにかくおにぎりだけでも持って行こうと思ったわけです。そうして避難する人々の交通機関でごった返す中、西宮経由で大阪の梅田まで電車で行きました。私達家族がやっとの思いで梅田へと着いた時にまずは違和感をそこで感じたのですが、何故か道行く人々が普段と変わりなくお洒落で普通の感じだったのです。後で分かったのですが震災は神戸や兵庫を主に直撃していて、周辺はそれほどの被害がなかったみたいで、そういう光景だったわけです。私達家族はそのような普段通りでお食事ができるようないつもの梅田の空間の中で、隅のベンチに座っておにぎりを食べました。私達の今まで居た場所だけがひどく異空間だったような そんな感覚におちいりながら、必死に食べたおにぎりは強烈な印象となって私の心の中に今も刻まれています。そういうわけで、食事はそのシチュエーションによっては、一生忘れられないものとなることを私はあの震災の日に体験しました。
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